令和元年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費(国際ルールインテリジェンスに関する調査(電動航空機のルール形成(国際標準化含む)戦略に係る調査研究))調査報告書
報告書概要
この報告は、電動航空機のルール形成に関する国際標準化戦略について書かれた報告書である。令和元年度に経済産業省の委託事業として一般財団法人日本航空機開発協会が実施した調査研究の結果をまとめている。近年のバッテリーやモータ等の電機技術の発展により、航空機分野においても電気推進システムを有する電動航空機の研究開発競争が2017年より大きく加速している状況を背景としている。電動航空機は従来の航空機とは推進構造やシステム構造、取り扱う電圧等が全く異なる方式となるため、機体の安全性証明が重要な課題となっている。世界の主戦場であるルール作りのフィールドでは、小型電動航空機についてはASTM International、旅客機の電動化についてはSAE Internationalといった工業標準化団体において、航空機産業メーカ、電機産業メーカ、各国規制当局等を交えた議論が行われている。本調査研究では、SAE内の技術委員会で進む電動航空機に係るルール形成動向の把握、日本企業がルールづくりの段階から関与できる技術領域の特定、国際標準化戦略の作成、SAEとの連携深化と国内機運醸成、国際機関・規制当局と標準化団体の関係把握を目的としている。調査結果として、SAEにおける標準化動向、日本の技術ポテンシャル調査及びSAEへのルール提案方策、電動航空機に関する国際標準化戦略、SAEや海外企業・団体との関係構築強化、規制当局における新たな規制創出プロセスについて詳細に分析している。特にFAAとEASAにおける規制創出プロセスでは、両機関ともに5年程度の時間を要する複雑なプロセスを経て規制が発効されることが明らかになっている。