平成31年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(分散型エネルギーリソースを活用したアグリゲーションビジネスに関する国内制度構築等に関する調査)報告書

掲載日: 2021年1月28日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギーシステム課
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報告書概要

この報告は、分散型エネルギーリソースを活用したアグリゲーションビジネス(ERAB)の国内制度構築に関する調査について書かれた報告書である。

経済産業省資源エネルギー庁による平成31年度調査事業として実施され、バーチャルパワープラント(VPP)による分散型エネルギーリソースの統合的制御と、それを用いたエネルギー事業の創出・活性化に向けた制度構築を目的としている。調査は三菱総合研究所が担当し、ERAB検討会での官民連携による検討結果を踏まえて実施された。

調査項目は四つの主要分野から構成されている。第一に、ERAB制度及びビジネスモデル構築に向けた検討では、卸電力市場、容量市場、需給調整市場における供給力・調整力提供の課題整理、サイバーセキュリティ対策と認証制度の検討、アグリゲーター事業者の位置づけ、EVアグリゲーションやデジタル技術活用などの新たなビジネスモデル構築を行った。第二に、海外市場調査では、諸外国の電力市場要件、事業者向けサイバーセキュリティ対策、ライセンス制度、取引ルール、ビジネスモデルについて調査を実施した。第三に、国内事例調査では、分散型エネルギーシステムを活用したスマートコミュニティの先導的取組事例を収集・整理し、事例集を作成した。第四に、検討会及びワーキンググループの開催運営を支援した。

アグリゲーターの役割については、単独では市場参画できないリソースを集約して各種市場にサービス提供する機能と、リソース間運用最適化によりリソース保有者にメリットを提供する機能の二つが仮説として整理された。また、逆潮流アグリゲーションの調整力活用、機器点計測による制御量評価方法、サイバーセキュリティガイドライン改訂などの具体的検討が行われた。2019年度の成果として、各種電力市場における下げDR取引類型の整理、ネガワット調整金計算方法の決定、ERABサイバーセキュリティガイドラインVer.2.0の公開などが挙げられる。次年度以降の課題としては、個別計測による制御量評価、再エネ市場統合下でのアグリゲーター活躍機会拡大、DER制御技術の高度化、アグリゲーター収益源拡大などが整理されている。