令和元年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子デバイス産業及びその関連産業における市場動向及び政策動向調査)報告書
報告書概要
この報告は、日本における電子デバイス産業及びその関連産業の市場動向及び政策動向について書かれた報告書である。IoT、ビッグデータ、人工知能などの新たな情報技術が産業構造や経済社会に革新をもたらす大変革の時代において、半導体や電子部品は次世代の産業や経済社会の実現に欠くことのできないキーデバイスとしてその重要性が高まっている状況を分析している。近年の半導体を始めとした電子デバイス産業では、かつてないスピードでグローバルな事業統合や協業が進んでおり、業種や企業の垣根を越えた連携強化の動きが見られている。電子機器生産市場では、2000年代にPC、携帯電話、TVが牽引役となったが成長は停止し、2010年以降は産業機器や車載エレクトロニクスが拡大を始めている。特にIoTの主戦場である産業機器分野では、オートメーション、ロボット、医療、計測機器、BEMS、電力設備、軍需分野での拡大期に入った。PCは市場普及が進み成熟段階にあるが、一方でゲーミング向け高性能PCの需要が高まっており、サーバ市場ではクラウド・データセンター市場の拡大に伴ってエンタープライズサーバ需要が増加している。ディスプレイ市場については、大型TFT LCD、中小型AMFPD、AMOLEDそれぞれに適合した生産ラインの設備投資による供給能力の変動によって異なる需給環境となっている。大型ディスプレイは中国メーカーのライン立ち上げにより供給過剰状態となったが、韓国メーカーのライン閉鎖により需給バランスが引き締まる方向に向かうと見込まれている。
