令和元年度産業技術調査事業(産総研第5期中長期目標策定に向けた国研の在り方に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、産業技術総合研究所(産総研)の第5期中長期目標策定に向けた国立研究開発法人の在り方について検討した調査報告書である。
産総研は平成27年度より第4期中長期目標期間において、我が国のイノベーションエコシステム形成のため基礎研究と事業化の結節点としての「橋渡し」機能を担い、同機能の強化を目標に掲げて活動を行ってきた。本調査では令和元年度に第4期が終了し、令和2年度より第5期中長期計画が開始となることから、第4期中長期期間中の産総研の活動総括を行うとともに、諸外国の事例を参考にしながら第5期の産総研の方針およびミッションについて検討し、産総研の第5期中長期計画の方向性を示すことを目的としている。
調査は「産総研の第4期中長期計画期間中の総括」「外部環境の変化」「第5期に産総研が取るべき方針」に注目し、有識者からなる委員会を組織して4回の勉強会を開催した。また、ideagramを用いた定量的分析により委員の意見を整理し、産総研として推進すべき機能や取組、今後注力すべき研究開発分野について検討が行われた。
海外調査では、オランダの2拠点であるHolst CentreとBrightlands Materials Centerの先進的な産学連携・研究プラットフォーム拠点について現状調査を実施した。調査結果から得られた示唆として、公的研究機関が研究・事業の最初から最後まで関わることの重要性、組織外での実験的試みの反復、求心力のある大きなテーマ設定の必要性、人材育成機能の重要性、グローバル企業参画の不可欠性が明らかとなった。これらの知見は産総研の第5期中長期計画策定において重要な参考資料となるものである。
