平成31年度「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業:トラックの隊列走行の社会実装に向けた実証」報告書

掲載日: 2021年2月18日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局自動車課
委託事業者: 豊田通商株式会社
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平成31年度「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業:トラックの隊列走行の社会実装に向けた実証」報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、平成31年度におけるトラック隊列走行の社会実装に向けた研究開発・実証事業について書かれた報告書である。本事業は、ドライバ不足解消やCO2排出量削減を目的として、2020年での後続車無人隊列走行実現及び2022年以降の事業化に向けた技術開発と実証実験を実施したものである。

研究開発は後続車有人システムと後続車無人システムの二つの方式で進められた。後続車有人システムでは、車車間通信機の改良により国内メーカー4社のマルチブランド車両による隊列走行制御精度の向上を図った。テストコースでの実証により、車間時間偏差の短縮や最小車間距離の増加等の改善効果を確認した一方、加速時の制御において燃費優先仕様の車両では前車追従性に課題があることが判明した。

夜間受容性評価では、新東名高速道路での実証により、夜間の方が割込み発生率が低く隊列走行に適していることが確認された。約440kmの走行中の割込み発生は22回で、合流部での割込み発生割合は夜間約9%に対し昼夕約80%であり、単路部では夜間1kmあたり0.03回、昼夕0.12回という結果となった。また、道路条件としては3車線が望ましいとの知見を得た。

後続車無人システムでは、新東名高速道路での長期実証実験を通じて、トンネルを含む全走行区間でシステムの正常作動を確認した。高精度衛星測位情報の信頼性課題に対してはLiDARトラッキング制御を第一優先に変更し、車速に応じた目標車間距離設定により先頭車加速度抑制と低速時の歩行者割込み対策を実施した。車両制御装置の冗長化、先頭車による後続車遠隔操作機能、電子ミラー改良等の技術開発も行われ、最終的にテストコースで後続車無人状態での実証実験に成功した。