令和元年度固定価格買取制度等の効率的・安定的な運用のための業務(再生可能エネルギー発電設備の費用報告データ分析業務)報告書
報告書概要
この報告は、令和元年度における固定価格買取制度の効率的・安定的な運用のための再生可能エネルギー発電設備の費用報告データ分析について書かれた報告書である。報告書は株式会社三菱総合研究所が資源エネルギー庁に提出したもので、2020年3月に作成された。本業務の目的は、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法に基づき導入された固定価格買取制度において、事業者から提出される定期報告データを分析し、令和2年度以降の調達価格等算定の基礎データを作成することである。調達価格等算定委員会では費用低減が認められる場合に現実の費用変化を反映させる必要があるため、設備のコストデータを事後的に提出することが買取制度適用の条件とされている。
実施内容として、定期報告等データベースの精査、期限内未提出事業者への督促検討、定期報告記載内容の分析・評価、追加的調査、次年度以降への提案が行われた。分析対象は太陽光発電(10kW未満・以上)、風力発電、地熱発電、中小水力発電、バイオマス発電の各種再生可能エネルギー発電設備である。太陽光発電では10kW未満の住宅用において2019年設置案件の平均システム費用が30.6万円/kWとなり前年より5.3%低減し、毎年低減傾向が継続している。10kW以上の事業用太陽光でも同様にコスト低減が確認された。風力発電については陸上風力20kW以上において資本費や運転維持費の分析が行われ、規模による効果や接続費の動向が評価された。地熱発電、中小水力発電、バイオマス発電においても各々の規模区分に応じた資本費、運転維持費、設備利用率等の詳細な費用構造分析が実施され、発電単価の算定に資するデータが整理された。
