令和元年度産業経済研究委託事業 地域と企業の持続的共生に向けた、地域と中堅・中小企業の具体的な在り方及び課題解決の成果の効果的な波及方法検討のための調査調査報告書

掲載日: 2021年4月22日
委託元: 経済産業省
担当課室: 地域経済産業グループ地域産業基盤整備課
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令和元年度産業経済研究委託事業 地域と企業の持続的共生に向けた、地域と中堅・中小企業の具体的な在り方及び課題解決の成果の効果的な波及方法検討のための調査調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、地域と企業の持続的共生に向けた中堅・中小企業による地域・社会課題解決の効果的な波及方法について書かれた報告書である。経済社会の変化により、環境問題、貧困、過疎化、高齢者介護などの地域・社会課題が多様化・複雑化する中、従来の地方自治体や住民組織、NPO法人による対応では限界があり、持続可能な事業性を持つ企業による課題解決への期待が高まっている。本調査では、地域・社会課題の解決に効果をあげている32の奏功事例を抽出し、文献調査とヒアリング調査により、ソリューションの定着・普及のための要件を検討している。事例分析の結果、事業フェーズごとの共通要素として、事業構想・設計段階での地域ニーズの把握、サービス開発・検証段階でのテストマーケティングの実施、事業開始・拡大段階での地域内外への展開戦略の重要性が明らかになった。メディア活用に関しては、事業開始時のプロモーション活動においてローカルメディアやWebニュースの戦略的活用、クラウドファンディングによるテストマーケティングの有効性が確認された。地域展開における重要な要素として、地域とのつながり創出では継続的な情報発信と地域リーダーの巻き込み、公民連携では行政の信用保証機能の活用、サービス提供体制の拡大ではフランチャイズ展開による社会的インパクトの拡大が挙げられている。事業安定化に向けては、オウンドメディアやSNSを活用した継続的な情報発信、段階的なメディア戦略の展開が必要とされる。課題としては、Web検索での発見可能性の向上、適正な地域範囲の設定、地域関係者との連携強化、核となる地域人材の発掘・育成、社会性と事業性のバランス確保などが指摘されている。