令和元年度新興国等におけるエネルギー使用合理化等に資する事業(省エネ等ビジネス世界展開促進事業)調査報告書

掲載日: 2021年4月27日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部政策課国際室
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令和元年度新興国等におけるエネルギー使用合理化等に資する事業(省エネ等ビジネス世界展開促進事業)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和元年度新興国等におけるエネルギー使用合理化等に資する事業(省エネ等ビジネス世界展開促進事業)について書かれた報告書である。

世界的なエネルギー需要の増大と地球温暖化問題の深刻化を背景に、日本の省エネルギー・新エネルギー関連技術やサービスの海外展開を促進することを目的として実施された事業の調査結果をまとめている。本事業では、ビジネス案件発掘に向けた調査分析、対象国へのミッション派遣、国内外への情報発信、海外ビジネスフォーラムの開催、政策課題の抽出という5つの主要な活動が展開された。

実施体制として、一般財団法人省エネルギーセンターが世界省エネルギー等ビジネス推進協議会(JASE-W)と連携し、ZEB普及ワーキンググループ、廃棄物発電ワーキンググループ、コジェネ導入ワーキンググループという3つの分野別ワーキンググループを中心とした活動を行った。

ZEB普及ワーキンググループでは、ASEAN地域でのZero Energy Building概念の国際標準化と普及促進に取り組み、ISO/TC205においてTechnical Specificationとしての提案を進めた。また、フィリピン、タイ、マレーシア、シンガポール等において現地セミナーやワークショップを開催し、ZEB概念の啓発活動を実施した。廃棄物発電ワーキンググループでは、東南アジア諸国における廃棄物処理問題の解決と日本技術の優位性活用を目指し、関連する政策・規制上の課題分析を行った。

海外展開活動として、サウジアラビアとUAEアブダビに官民合同ミッションを派遣し、インドのデリーでは省エネ・再エネビジネスフォーラムを開催した。さらに、タイのバンコクとUAEアブダビの国際展示会に出展し、日本の省エネ技術の優位性をアピールした。

報告書には、アジア蒸暑地域のオフィスビルにおけるエネルギー消費実態調査の結果も含まれており、インドネシア、香港、シンガポール、台北、バンコク、ハノイの各都市での温熱環境と電力消費量の実測データを分析している。調査結果から、照明機器とOA機器の電力負荷基準値が実際の消費電力量より大きいこと、内部負荷削減による大幅な電力消費量削減の可能性、庇の設置によるエネルギー性能向上効果などが明らかになった。これらの知見により、アジア蒸暑地域に適した省エネ基準の必要性が示されている。