令和元年度化学物質安全対策(業務用冷凍空調機器等の使用時漏えい量に関する実態調査)報告書
報告書概要
この報告は、業務用冷凍空調機器からのフロン類の使用時漏えい量に関する実態調査について書かれた報告書である。平成27年4月に施行されたフロン排出抑制法に基づく包括的なフロン類対策の一環として、業務用冷凍空調機器の稼働時における漏えい抑制が重要な課題となっているが、市中に存在する様々な種類、設置環境、使用状況の機器からの使用時漏えいの現状を精緻に把握できていない実態がある。業務用冷凍空調機器からの冷媒漏えいの約半分は機器使用時に発生しており、この漏えい現状をより精緻に把握することは、使用時漏えい対策の強化だけでなく機器廃棄時のフロン類排出抑制にも資するものである。調査では経済産業省から提供された約14万台分の実態データを精査し、大型冷凍冷蔵機器、業務用空調機器、中型冷凍冷蔵機器、小型冷凍冷蔵機器、チリングユニット、家庭用エアコンの6分類について分析を実施した。漏えい量自体を直接測定したデータは存在しないため、補充量を漏えい量とみなして精査することとなり、稼働機器に充填されている冷媒量に対する機器毎の排出係数を算出するための検討を行った。冷媒漏えいの原因は時間をかけて徐々に放出されるスローリークと一気に放出される事故や故障の2つに分類され、それぞれに対応した排出係数の算定方法が検討された。算定漏えい量報告結果との比較分析では、R-22が最も多く、次いでR-404A、R-410Aとなっており、業種別では各種商品小売業、飲食料品小売業、食料品製造業が上位を占める結果となった。
