令和元年度地域経済産業活性化対策調査委託費(福島への若者の定着促進に向けた広報・調査事業)成果報告書
報告書概要
この報告は、福島県への若者の定着促進を目的とした広報・調査事業について書かれた報告書である。
福島イノベーション・コースト構想による企業誘致の進展に伴い、人材確保が重要な課題となっており、特に福島県出身者のUターン促進が急務となっている。福島県では1学年1.7万人のうち1万人が最終的に転出しており、Iターン者は200人程度にとどまっているため、福島県出身者をメインターゲットとした人材確保戦略が必要とされている。
本事業では、将来UIターンする可能性がある福島県出身者(高校生・大学生・社会人)に対し、WEB・SNS・リアルイベントを組み合わせたアプローチを実施した。具体的には「Hama Tech Channel」というWebサイトを構築し、情報発信のハブとして活用した。また、LINEアカウント取得キャンペーンを実施し、総登録者数205名を獲得するとともに、Twitter広告配信では105,715名への配信を達成した。
コンテンツ制作においては、浜通りで先進的な事業を行う企業への取材を通じ、「浜からビジョン」8記事、「WRSへの道」2記事、「移住リアルレポート」2記事など計20記事を制作した。これらのコンテンツは読み物としてのクオリティを担保しつつ、移住定住支援制度の紹介により実際の行動促進を図った。
効果検証の結果、CRMツールを活用した施策は一定の成果を上げたものの、若年層・福島出身者への認知拡大、コンテンツテーマの領域拡大、時事的な情報配信の強化が今後の課題として明らかになった。特に福島出身者の応募や高校生登録者の少なさが課題となっており、インセンティブの見直しや公式SNSアカウントの追加、イベント開催などの改善策が提案されている。
