令和元年度新コンテンツ創造環境整備事業(eスポーツに係る市場規模等調査分析事業)日本のeスポーツの発展に向けて~更なる市場成長、社会的意義の観点から~

掲載日: 2021年4月28日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局コンテンツ産業課
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報告書概要

この報告は、日本のeスポーツの発展に向けた市場成長と社会的意義について書かれた報告書である。

日本は世界的なゲーム大国であるが、eスポーツ分野では海外に出遅れている状況にある。その主な理由として、家庭用ゲーム機の普及によりパソコン向けゲームの発展が遅れたことが挙げられている。しかし2018年を日本のeスポーツ元年として、一般社団法人日本eスポーツ連合の設立により環境整備が本格化し、大型大会の開催や企業参入が相次いでいる。

市場規模については、従来のゲーム産業中心の直接市場から、周辺市場や関連産業への経済効果を含むエコシステム全体として捉える必要性が示されている。2018年時点の直接市場規模は約48億円であったが、2022年には約100億円に達する予測がある。さらに、関連機器、人材育成、地方創生、観光業など幅広い分野への波及効果を含めた総合的な市場規模の試算が実施されている。

長期的な成長に向けた提言として、ゲームとしての魅力向上、イベントとしての魅力向上、選手の経済的地位向上、ファンのコア化、法制度対応のハードル引き下げが挙げられている。また、海外主要国であるアメリカ、韓国、EU、中国の発展経緯や現状についても調査分析が行われている。

社会的意義については、人生を楽しく健康で生き生きとしたものとすること、共生社会や健康長寿社会の実現、経済・地域の活性化、多様性を尊重する世界の実現などが示されている。特に障害者向け製品の開発やヘルスケア分野での活用、教育分野での価値創出などが重要な要素として位置づけられている。

今後の検討事項として、ゲームタイトルの利用・許諾に関するガイドラインの必要性、共生社会や地方創生実現に向けた情報発信拠点の整備、eスポーツの教育的価値の探索とエビデンス取得などが挙げられている。さらに、業界団体、産業界、教育・研究機関、官公庁、地方自治体、プレーヤーそれぞれに求められる具体的なアクションも提示されている。