令和元年度原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業(福井県若狭地域における観光ビジネスを核とする新たな地域経済システムの構築に向けた調査事業)報告書

掲載日: 2021年4月28日
委託元: 経済産業省
担当課室: 近畿経済産業局資源エネルギー環境部電力・ガス事業課
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和元年度原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業(福井県若狭地域における観光ビジネスを核とする新たな地域経済システムの構築に向けた調査事業)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、福井県若狭地域における観光ビジネスを核とする新たな地域経済システムの構築に向けた調査事業について書かれた報告書である。令和元年度に近畿経済産業局の委託により株式会社JTB総合研究所が実施した事業で、小浜市、美浜町、高浜町、おおい町、若狭町の1市4町を対象とした包括的な地域経済分析を行っている。

調査では若狭地域の産業構造を詳細に分析し、全産業合計では小浜市が過半数の54.1%を占める一方、漁業生産額では若狭町が最多となっており、農業生産額は小浜市が89.6%を占めるという地域的な産業分布の特徴を明らかにしている。各市町の産業構成では、1次産業比率が高いおおい町、2次産業が強い若狭町、3次産業の比率が高い美浜町と高浜町という特色がある。

過去10年間の産業指標推移では、観光入込客数は1市4町全体で22%増加している一方、製造業製品出荷額は26%減少、小売業年間販売額は16%減少、漁業は22%減少するなど、産業分野による明暗が分かれている。特に観光入込客数の増加は地域経済の新たな可能性を示している。

事業では域外事業者の参画促進、地域内担い手の発掘、若狭地域外事業者へのヒアリング、宿泊業のリソース不足を補うための合同検討会を実施している。これらの取り組みを通じて、観光を核とした持続可能な地域経済システムの構築に向けた具体的な方向性と課題を整理し、今後の地域振興戦略の基盤を提供している。