平成31年度安全保障貿易管理対策事業委託事業(中小企業アウトリーチ事業(営業秘密漏えい対策))調査報告書
報告書概要
この報告は、平成31年度経済産業省委託事業として実施された、在外日系中小企業の営業秘密漏えい対策支援について書かれた報告書である。グローバル化に伴い海外進出する日系企業が増加し、技術情報等の漏洩リスクが増大している状況を受け、特に中国に進出した日系企業32,000社超を対象とした支援事業が展開された。本事業では、営業秘密管理体制整備を希望する在中国日系企業30社に対し、現地専門家によるハンズオン支援を実施した。具体的には営業秘密管理状況のヒアリング、改善アドバイス、契約書改正案作成、現場確認、従業員研修等を行った。支援対象企業は上海、大連、杭州、北京、蘇州等の各都市に分散し、支援期間は7月から翌年2月にかけて実施された。アンケート結果では回答企業26社中16社で営業秘密漏えい防止策が導入され、具体的な対策として秘密資料のサーバー管理、鍵付きキャビネット設置、監視カメラ導入、従業員との秘密保持契約締結等が挙げられた。また普及啓発活動として、日本国内3都市と中国上海でセミナーを開催し、合計228名が参加した。さらに中国における営業秘密の定義、流出事例、判例、管理ポイント等をまとめた「営業秘密管理マニュアル-中国編-」を作成し、企業の営業秘密管理体制整備を支援する包括的な事業を実施した。
