令和元年度化学物質安全対策(化審法におけるリスク評価の加速化等に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)における2020年目標達成に向けたリスク評価の合理化・加速化方策について調査・検討した経済産業省委託事業の報告書である。平成21年の化審法改正により既存化学物質を含む全ての化学物質が国のリスク評価対象となり、平成31年4月時点で223物質が優先評価化学物質に指定されている。WSSD2020年目標達成のため、スクリーニング評価・リスク評価の合理化・加速化が求められている状況を受け、本事業では暴露評価モデルの最適活用方法について専門家会合を開催し、3つの数理モデルの特性総括表を作成した。また、透明性のある分かりやすいリスク評価書への改訂検討を行い、行政が正しく解釈でき読者がリスク評価の結論を後追いできる改訂案を作成した。さらに、リスク評価II物質のEDTAとNTA-Naについて環境中での存在形態をシミュレーションし、複雑な存在形態のため全てを合わせたトータルEDTAでの評価を提案した。界面活性剤の物理化学的性状について産業界と専門家の意見を聴取し、化審法技術ガイダンスへの盛り込みを念頭に置いた取扱い案を作成した。一般化学物質等届出書のパンチ入力・PDF化作業では4,667件の一般化学物質を含む計5,308件の届出書を処理し、不正確情報リストの作成や届出書情報の整理を実施した。「化審法のリスク評価等検討会」を2回開催し、評価困難物質の評価手法開発と加速化・合理化方策について技術的議論を行った。物理化学的性状等のレビュー会議も3回開催し、スクリーニング評価や優先評価化学物質のリスク評価に用いるデータについて専門家による検討が行われた。
