平成31年度グローバル・スタートアップ・エコシステム連携強化事業報告書
報告書概要
この報告は、平成31年度に経済産業省が実施したグローバル・スタートアップ・エコシステム連携強化事業について書かれた報告書である。
日本では大企業や大学・研究機関に革新的な技術や優れたビジネスアイデアを持つ起業家が多数存在するものの、グローバル市場へ進出するベンチャー企業や社会課題解決を図るベンチャー企業の創出が進んでいない状況にある。また、Society5.0の実現において重要な役割を担うスタートアップについて、日本発のユニコーン企業は依然として少ない状況である。世界各国ではシリコンバレー、French Tech政策を掲げるフランス、中東のシリコンバレーと呼ばれるイスラエル、中国深圳など、各国・各地域間でスタートアップ・エコシステム競争が激化している。
本事業では三つの主要な取り組みが実施された。第一に起業家精神に関する調査として、グローバル・アントルプレナーシップ・モニター調査を実施し、起業活動指数による国際比較・経年比較を行った。2019年調査では日本の起業活動水準は5.4となり、前年度の5.3から微増し、2016年調査の水準を維持した。第二に日本ベンチャー大賞の運営を行い、第5回までの受賞者構成や運営経緯を振り返り、制度の成果を総括するとともに、訴求力のある広報・メディア展開のためのデザインコンセプトを制作した。第三に政府目標達成に向けた施策検討として、スタートアップの資金調達環境向上を目的に、機関投資家向けの標準的なDue Diligence QuestionnaireとLP向け四半期報告書の標準フォーマットを作成した。これらの取り組みを通じて、スタートアップ・エコシステムの強化と世界で勝てるスタートアップの創出促進を図ることが目的とされている。
