令和元年度地域経済産業活性化対策調査(沖縄県内における産業用地の状況調査)調査報告書(概要版)
報告書概要
この報告は、沖縄県内における産業用地の状況について書かれた調査報告書である。調査は令和元年度に実施され、沖縄県内のインフラや公共施設、立地企業等の分散している情報を集約・可視化し、産業用地の課題・問題点を洗い出すことを目的としている。調査方法は、沖縄県及び16市町村の自治体に対するアンケート調査、民間開発業者3社へのヒアリング調査、立地断念・撤退企業への調査、さらに文献調査を実施している。
自治体調査の結果、県内自治体のほとんどが空港や港湾、幹線道路への沖縄本島内におけるアクセスの良さを魅力として挙げている一方で、「産業用地の確保が難しい」という課題が全体の7割を超え、産業用地開発における土地不足が立証された。土地不足の主な要因として、一定の広さを有する公共用地が少ないこと、民有地においてもまとまった土地が少ないこと、地権者が多いこと、市街化調整区域や農業振興地区等の指定により用地開発が簡単に進まないことなどが挙げられている。また、産業用地開発において土地の造成やインフラ整備が必要な場合には、財政的に厳しいとの実情も明らかになった。
民間開発業者の調査では、沖縄の魅力として自然の豊かさが挙げられ、土地価格については他の地方都市に比べて高いが都市圏より安い点が好条件となっている。しかし、各種規制や土地の少なさ、多くの地権者との交渉の煩わしさ、物流コスト、交通渋滞といった課題も確認された。さらに、近年の不動産流通価格や建設コストの高騰により、立地環境は厳しいとの状況も報告されている。
調査結果に基づく考察として、土地確保の困難さに対しては、自治体による産業振興ゾーンの設定、地権者との調整、開発に係る諸手続きの実施、官民連携による産業用地確保が求められるとしている。また、PPP・PFIを始めとする民間企業の活用及び連携の重要性、さらには立地を検討する企業の時間と労力を軽減するためのワンストップ窓口の必要性も指摘されている。これらの課題解決に向けて、自治体がリーダーシップを取り、地域住民、地元業者、開発業者と共に取り組むことが重要であると結論づけている。