令和元年度燃料安定供給対策に関する調査事業(石油ガス国際市場調査)

掲載日: 2021年6月4日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課
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報告書概要

この報告書は、令和元年度燃料安定供給対策に関する調査事業として実施された石油ガス国際市場調査について書かれた報告書である。日本におけるLPガス需要は1996年の1,970万トンをピークに人口減少とともに減少傾向にあるが、東南アジアや南アジアの新興国では家庭用需要を主としたLPガス利用が拡大している。このような背景のもと、日本のLPガス業界が長年培ってきた高度な安全技術や供給システムを活用した海外展開を促進することが、国内事業基盤の再構築と新興国の安全なLPガス利用に寄与するとしている。石油情報センターは経済産業省の委託により、これまでミャンマー、ベトナム、カンボジア、フィリピン、バングラデシュの調査を実施してきたが、今年度はインドネシアにおけるエネルギー需給状況、LPガスの流通構造、政府規制等の詳細な調査を実施した。インドネシアは人口2億6,502万人を擁し、実質GDP成長率5.2%を記録する東南アジア最大の経済国のひとつである。同国のLPガス市場は政府の灯油からLPガスへの転換プログラムにより大きく拡大し、家庭用、商業用、工業用、自動車用での利用が進んでいる。LPガス供給はプルタミナが主導する体制のもと、3キログラムボンベへの補助金制度により価格安定化が図られている。法制度面では基本法に基づく品質規格や工業規格が整備され、エネルギー鉱物資源省が所管している。流通構造は供給基地から充填所、販売店を経由した配送網が全国に展開され、港湾設備や道路インフラの整備も進展している。過去に調査したフィリピンでは需要が安定的に推移し、複数事業者による競争環境が形成されている。ミャンマーでは日本の技術協力によりLPガス安全法制度構築事業が進められ、ベトナムでは規制緩和により中小事業者の参入促進が図られた。カンボジアでは石油基本法が2019年に成立し、バングラデシュでは天然ガス枯渇の代替燃料としてLPガス需要が急激に拡大している。