令和元年度地球温暖化対策における国際機関等連携事業委託費(技術革新によるエネルギー需要変化に関する国際モデル比較国際連携事業)成果報告書

掲載日: 2021年7月15日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業技術環境局地球環境対策室
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令和元年度地球温暖化対策における国際機関等連携事業委託費(技術革新によるエネルギー需要変化に関する国際モデル比較国際連携事業)成果報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、技術革新によるエネルギー需要変化に関する国際モデル比較を行った研究について書かれた報告書である。令和元年度に公益財団法人地球環境産業技術研究機構が実施した国際連携事業の成果をまとめている。報告書は主にIPCC SR15における低エネルギー需要(LED)シナリオの詳細分析、国際会議の開催結果、そして各国の研究機関による最新の研究発表内容を包含している。LEDシナリオは、情報技術や人工知能の進展により、エネルギー需要サイドの技術革新とシェアリングエコノミーの普及によって、社会システムが大幅に変化することで、1.5℃目標を達成する可能性を示した重要なシナリオとなっている。シナリオでは、熱快適性、消費財、移動手段、食料という4つのエネルギーサービス分野において、技術効率向上と社会行動変化により、大幅なエネルギー需要削減が実現されることが想定されている。国際会議では、世界各国から50名以上の研究者が参加し、エネルギー需要の将来展望、デジタル化の影響、ライフスタイルと緩和策の関係、交通需要の新しいビジネスモデル、持続可能な発展のためのエネルギーアクセスなどについて議論が行われた。特に注目すべきは、グローバル・ノースとグローバル・サウスにおける異なる発展段階を考慮したエネルギー需要変化の分析である。結果として、技術革新と社会変化を適切に組み合わせることで、大規模なバイオエネルギー・炭素回収貯蔵(BECCS)に依存することなく、気候目標達成が可能であることが示されている。