令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業 ロボット関連技術及びロボット利活用にかかる教育の実態並びに我が国の教材・カリキュラムの策定に向けた調査事業調査報告書
報告書概要
この報告は、ロボット関連技術及びロボット利活用にかかる教育の実態並びに我が国の教材・カリキュラムの策定について書かれた報告書である。経済産業省の委託を受けてNTTデータ経営研究所が実施した調査事業であり、少子高齢化や人手不足といった社会課題の解決に向けて、製造現場や物流等のサービス産業におけるロボット利活用人材の育成が急務となっていることを背景としている。調査は三つの主要なタスクから構成されており、第一に諸外国におけるロボット関連技術やロボットSI技術の教育実態調査を実施し、米国、欧州(英国、フランス、ドイツ)、アジア(タイ、シンガポール、インド、中国等)の各国における人材育成システムの目的、特徴、連携体制、対象者等を比較分析している。第二にロボット教材・カリキュラム策定に向けた基礎情報の整理を行い、教育および産業界からのニーズの整理、教員への再教育、専門家派遣、インターンシップ制度、資格制度等に必要な条件や体制について検討している。第三にロボット教材・カリキュラム策定に向けた調査研究会を開催し、ロボットメーカー、ロボットシステムインテグレーター、高専関係者、高校関係者等の専門家から構成される検討会を実施している。報告書には産業用ロボットの基礎技術から応用技術まで幅広い内容が含まれており、ロボットの構成要素、センサ技術、制御技術、機械設計、CAD技術、システムインテグレーション、品質保証、安全管理等の詳細な解説が記載されている。これらの調査結果と有識者からの意見を踏まえて、工業高校、高専、大学といった工学系の専門学科を有する学校において即戦力として活躍できるプロフェッショナル育成に向けた統一的な教育制度構築のためのロボット教材ドラフト案が作成されている。
