令和元年度質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(カンボジア王国・電力系統運用技術とサイバーセキュリティ技術に関する日本仕様の教育プログラム展開による我が国の電力制御システム等導入実施可能性調査事業)報告書(日本語版)

掲載日: 2021年8月25日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局サイバーセキュリティ課
委託事業者: TEPCO IEC株式会社
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報告書概要

この報告は、カンボジア王国における電力系統運用技術とサイバーセキュリティ技術に関する日本式教育プログラムの展開可能性について調査した報告書である。カンボジアは経済発展により電力需要が急速に拡大している一方で、電力系統運用や設備マネジメント、サイバーセキュリティ対策などの運用能力向上に着目した人材育成が課題となっている。現状では設備拡充に運用技術が追従できておらず、設備事故・停電時の対応能力が不十分であり、電力品質の低下や経済損失の発生リスクとなっている。

本調査事業では、日本が保有する高品質で安定的な電力供給を実現する技術や知見を活かした電力事業者向け教育プログラムの展開により、カンボジアの電力供給安定化と品質向上にソフト面から寄与することを目的としている。具体的には電力系統運用を担うEDC社に対する系統運用課題の調査、系統訓練シミュレータ導入など教育環境の整備、CO2排出抑制量の試算を実施した。

教育プログラムの事業化においては3段階のフェーズを設定している。Phase1では人材育成スキームの組成として簡易型系統訓練シミュレータの設置とトレーナー育成、Phase2では訓練スキームの拡充として高度な訓練プログラムの充実、Phase3では監視制御システムなど日本のインフラ輸出実現を目指している。事業効果として停電時間短縮による経済損失低減、年平均356kt-CO2の排出抑制、日本式運用技術の優位性認識による日本製SCADA導入促進が期待される。