令和元年度高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業(CASE 時代を見据えた国内外技術動向調査)調査報告書(公開版)
報告書概要
この報告書は、令和元年度高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業として実施された、CASE時代における国内外技術動向調査について書かれた報告書である。CASEとはConnected、Autonomous、Shared、Electricの4つの技術革新トレンドを指し、これらが自動車産業に与える影響とその社会的価値について分析している。報告書では、CASEによって実現される将来のモビリティ社会像として、低炭素・分散・強靱な自動車・エネルギー融合社会、渋滞等の都市問題解決に向けた効率的デジタルスマートシティ、移動弱者ゼロ化を目指す豊かな地域社会づくりの3つの社会像を提示している。自動車産業の構造変化においては、従来の内燃機関中心のすり合わせ技術から、ICT等異業種との融合・競争やモジュール化の進展により、従前の縦の産業構造が横の産業構造へと変化することを指摘している。技術面では、センシング技術の進化、ドライバーズインフォメーション、センサ技術、マイコン技術など新規部品の登場と既存部品の進化について詳細に分析している。また、電動化に伴う部品関連の変化として、高電圧対応電気系統、電池材料進化による安全性能変化、エンジン関連機器の不要化などを挙げている。産業競争力の観点では、地球環境保護と地域の持続性との連動を重視し、LCA低減、電動化技術の性能向上、自動運転・コネクテッド技術における半導体・センサ・ソフトウェア人材の育成が重要であるとしている。開発プロセスについては、従来のバトンタッチ方式の課題を解決するため、モデルベース開発による次世代型開発手法「SURIAWASE2.0」の実現により世界一の開発効率を目指すとしている。
