平成31年度製造基盤技術実態等調査事業(クラシックカー等の活用実態を通じた自動車市場の活性化策の検討に係る調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、クラシックカー等の活用による市場活性化に関する国内外の状況を調査・分析した報告書である。国内においては、TÜV Rheinland、TÜV SÜD、SGS、Bureau Veritasなどの海外認証機関が日本で展開するサービスを整理し、これらの機関がビンテージカーの状態評価や査定、第三者アジャスターサービスを提供していることが明らかとなった。また、交通安全環境研究所、日本自動車研究所認証センター、日本車両検査協会といった国内の自動車関連認証機関の役割も整理された。東京都のヴィンテージカー減免制度やCHUBB損害保険のクラシックカー保険などの支援施策、さらに各種クラシックカーイベントの実施状況が調査された。国内自動車メーカーでは、マツダ、日産自動車、本田技研工業、トヨタ自動車、スズキ、SUBARU、三菱自動車工業などがクラシックカーの保全やレストアに関する取組みを展開している。海外調査では、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、米国におけるクラシックカーの定義や認定の仕組みが詳細に分析され、各国で異なる年数基準や認定プロセスが存在することが判明した。ドイツでは30年以上の車両を対象とするH-Kennzeichenシステム、イギリスでは40年以上の車両に対するMOT免除制度などの支援施策が実施されている。国際クラシックカー連盟をはじめとする各国の団体が普及促進に取り組んでおり、Volkswagen Group、BMW Group、Porsche、Ferrariなどの海外メーカーも積極的に関与している。これらの調査結果を踏まえ、今後の日本におけるクラシックカー等の活用による市場活性化施策として、行政機関、自動車メーカー、地方自治体の各レベルでの取組み方向性が検討されている。
