令和元年度質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(我が国企業によるインフラの海外展開促進調査事業(インド・再生可能エネルギー大量導入を考慮した需給運用・系統運用の安定化システムの導入可能性調査))調査報告書

掲載日: 2021年9月17日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁長官官房国際課海外エネルギーインフラ室
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令和元年度質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(我が国企業によるインフラの海外展開促進調査事業(インド・再生可能エネルギー大量導入を考慮した需給運用・系統運用の安定化システムの導入可能性調査))調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、インドの再生可能エネルギー大量導入を考慮した需給運用・系統運用の安定化システムの導入可能性について書かれた調査報告書である。東京電力パワーグリッド株式会社が資源エネルギー庁の委託を受けて実施した令和元年度の事業実施可能性調査の結果をまとめたものである。

インドは2022年までに175GWの再生可能エネルギー導入目標を掲げており、太陽光発電と風力発電の大量導入が進んでいる。しかし、再生可能エネルギーの出力変動により系統運用において新たな課題が生じており、火力発電設備の柔軟な運用による需給調整機能の向上が求められている。本調査では、既存火力発電設備の性能向上と効率的な運用方法の検討を行った。

需給調整市場における火力発電設備の事業可能性調査では、MOUDA発電所における性能試験を実施し、限界費用配分方式の導入による発電機出力の変化速度確保と燃料費削減効果を検証した。性能試験の結果、熱効率の改善により年間約0.5%の燃料費削減が可能であることが確認された。また、限界費用配分方式により従来のメリットオーダー方式と比較して発電機の応答性能向上と燃料消費量削減が期待できることが示された。

系統安定化に向けた電圧制御装置導入可能性調査では、パンジャブ州をモデルケースとして電圧・無効電力制御装置の導入効果を検討した。変電所における自動電圧調整装置と発電所における電圧制御装置の協調制御により、電圧変動幅の改善、供給信頼度の向上、送電損失の低減が可能であることが系統解析により確認された。特に送電損失については最適潮流計算により約2-3%の削減効果が期待される。