令和元年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(インフラ・システム輸出基盤調査)報告書
報告書概要
この報告は、日本企業の海外洋上風力事業参入に対する支援策について書かれた報告書である。
アジア地域では台湾、インド、ベトナムを中心とした洋上風力市場の成長が期待されており、特に資金面と技術面における外資参入が不可欠な状況となっている。欧州では再生可能エネルギー市場が成熟期に達し、ユーティリティに対するFIT等の経済的支援策が広く普及している。ドイツやデンマークでは官民双方のイニシアティブにより多くの支援プログラムが展開され、洋上風力のLCOE削減に向けた研究開発支援制度や技術移転を目指した輸出支援策が導入されている。
米国においてはニューヨークやカリフォルニア、北東部で実証事業やオークションが開始され、洋上風力の商業化は2023年以降と予測されている。アジア各国では再生可能エネルギー促進に向けた政策や各種優遇策がある程度整備されているものの、洋上風力に特化した政策は限定的である。
電力供給が不安定な再生可能エネルギー発電の拡大に伴い、電力ビジネスは上流から下流へと付加価値がシフトしており、日系企業もアジア・北欧を中心に送配電分野での事業拡大を図っている。日立や東芝等の機器メーカ、東京電力や中部電力等のユーティリティ企業は海外企業との提携を通じてグローバル展開を模索している。日本企業の海外におけるプレゼンスは未だ小さく、成長市場獲得に向けたビジネスマッチング等の支援が求められている。
