令和元年度二国間クレジット取得等のためのインフラ整備調査事業(環境と成長の好循環を目指すビジネス主導の国際展開のための国内CEFIA 検討会事業)報告書

掲載日: 2021年10月29日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業技術環境局環境政策課地球環境連携室
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報告書概要

この報告は、ASEAN地域における低炭素技術の普及展開とビジネス主導の国際展開を目指すCEFIA(Cleaner Energy Future Initiative for ASEAN)に関する検討会事業について書かれた報告書である。令和元年度に三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社が事務局として実施した事業で、日本の環境と成長の好循環というコンセプトの下、脱炭素技術の導入と制度整備を通じて相手国の温室効果ガス削減を進める取組である。

本事業は3つの主要テーマで構成されている。第1のテーマは低炭素技術導入と制度整備構築のパッケージ化であり、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とRENKEI(高度制御による運用最適化)をフラッグシッププロジェクト候補として検討している。第2のテーマは海外での温室効果ガス排出削減貢献の見える化手法の検討で、プロジェクトベースと企業ベースの評価手法を議論している。第3のテーマは低炭素技術普及のための資金課題検証で、ASEAN地域における金融機関の活用やグリーンファイナンスの現状を調査している。

検討会は6名の委員で構成され、2020年1月から3月にかけて2回の会合とサブワーキンググループによる深堀議論を実施している。ZEBの普及については、ASEAN全域でのビジネス環境整備プラットフォームの展開が提案され、RENKEIについては制御技術による運用最適化の普及戦略が検討されている。見える化手法では、コミッショニングによる削減効果の定量化や統合化クラウドによる削減ポテンシャル把握のアプローチが議論されている。

資金調達の課題検証では、ASEAN諸国におけるグリーンボンドやサステナビリティローンの発行状況、地場金融機関によるグリーンファイナンスの取組事例を詳細に分析している。各国の制度構築ニーズに応じた戦略の重要性が指摘され、官民連携による技術普及の仕組み作りの必要性が確認されている。本検討会の成果は次年度のCEFIA活動の基盤となり、ASEAN地域における日本の低炭素技術の戦略的普及展開に向けた具体的な方向性を示している。