平成31年度放射性廃棄物共通技術調査等事業(放射性廃棄物に係る重要な基礎的技術に関する研究調査の支援等に関する業務)(国庫債務負担行為に係るもの)報告書(2021年度分)
報告書概要
この報告は、放射性廃棄物処分に関わる基礎的技術研究と人材育成について書かれた報告書である。本事業は経済産業省から委託された4カ年事業の2021年度分成果をまとめたものであり、高レベル放射性廃棄物の地層処分を中心とした萌芽的・先進的な研究開発の進捗管理と、地層処分事業を支える人材育成プログラムの実施・作成を主要な目的としている。研究開発部門では、山口大学による沿岸部処分パネルの健全性評価、早稲田大学によるベントナイト系緩衝材の自己修復性評価、鳥取大学による化学的変質の影響評価など7つの研究テーマが実施された。これらの研究は、地層処分施設の長期安定性、ベントナイトの膨潤特性や化学的変質、放射性核種の吸着・脱離特性、結晶質岩体の地下水理構造、隆起・侵食評価技術などの分野において重要な知見を提供している。人材育成プログラムでは、地層処分分野におけるジェネラリスト育成を目的として、リテラシー育成教材とポータル教材の2種類の教材作成が進められている。また、幌延深地層研究センターでの現地見学を含む人材育成セミナーが開催され、参加者の理解度向上と専門性の気づきを促進している。各研究テーマについては外部有識者による評価委員会が設置され、中間報告と最終報告において進捗状況の確認と研究内容の妥当性評価が実施されている。これらの研究成果は、将来の地層処分事業実施において必要な技術的知見の蓄積と、事業を担う人材の育成に寄与するものとなっている。
