令和5年度産業経済研究委託事業レジリエンス社会の実現に向けた産業政策の検討に関する調査調査報告書

掲載日: 2024年4月1日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局産業構造課
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報告書概要

この報告は、レジリエンス社会の実現に向けた産業政策の検討について書かれた報告書である。経済産業省が令和5年度に実施した調査により、自然災害に対するソリューションの社会実装を通じて経済成長と社会課題解決の両立を目指すものである。

調査は大きく二つの柱から構成されている。第一に、自治体の防災ニーズと貢献可能性のあるスタートアップに関する調査では、自治体が抱える防災課題のうち需要と調達の可能性が高い分野を特定し、それらの課題に対応できるスタートアップの技術を整理している。また、先進的な製品・サービスの実装を通じた防災課題解決のための道筋についても検討されている。

第二に、企業の自然災害への備えに関する調査では、企業の防災行動について基礎的な調査を実施し、企業の防災を支える制度的枠組の比較検討を行っている。これらの調査を通じて、企業の防災への取組を促進するための制度的枠組活用の示唆を導出している。

レジリエンス産業の育成においては、防災に資する製品・サービスを提供する供給側の育成とともに、防災投資を行う企業や防災に係る行政サービスを提供する自治体といった需要側の開拓が重要であることが示されている。特に、イノベーションの担い手として期待されるスタートアップの数と規模の拡大、大企業の新分野への大胆な投資を促すための経営改革が必要である。調査結果に基づき、レジリエンス産業育成に向けた経済産業政策の方向性が提示されている。