令和5年度 質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業バングラデシュ国・カムラプール複合交通ターミナル案件実施可能調査事業事業報告書(公表用)

報告書概要

この報告は、バングラデシュ国カムラプール複合交通ターミナル案件実施可能調査事業について書かれた報告書である。令和5年度に経済産業省が実施し、株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル、鹿島建設株式会社、日本工営株式会社が委託を受けて調査を行った。調査の目的は、質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性を検証することであり、バングラデシュの首都ダッカにあるカムラプール駅周辺の複合交通ターミナル開発計画の実現性を詳細に検討している。

調査では施設計画として Pre-Master Plan の作成を中心に実施され、都市計画規制の確認、交通調査の実施、鉄道および駅の計画、建築施設計画、道路・主要交差点の計画、駅前広場の計画、水関連インフラ計画、電力インフラ計画、廃棄物処理の検討が含まれている。特に交通調査では現地での詳細な観測調査を実施し、将来の道路交通予測やバングラデシュ鉄道利用者数の分析を行っている。また、既存のカムラプール駅の移転計画や新駅の設計についても具体的な検討が行われ、日本の技術導入の意義も整理されている。

投融資構造についてはFramework Agreementの案を作成し、第三者投資家の参画を含む基本的な投融資スキームが検討されている。実施スケジュールでは全体の開発順序を段階的に設定し、採算検討としてBasic FSを作成してプロジェクトの経済性評価を実施している。建設コストの算定、事業採算の前提条件設定、収益性の検証などが詳細に分析されている。最終的に事業実現に向けた課題として、施設計画に関する課題と投資リスクの分析および対応策が整理され、今後の事業推進に向けた具体的な方向性が示されている。