令和5年度重要技術管理体制強化事業(バッテリーメタル及び蓄電池製造装置に係る動向調査)報告書
報告書概要
この報告は、令和5年度重要技術管理体制強化事業として実施されたバッテリーメタル及び蓄電池製造装置に係る動向調査について書かれた報告書である。蓄電池は経済安全保障上重要な戦略物資であり、カーボンニュートラル実現やモビリティの電動化において不可欠な技術として世界的な需要が急拡大している。この背景を受けて、日本の蓄電池産業戦略における2030年の製造基盤目標達成に向けた課題を明確化するため、蓄電池製造装置とバッテリーメタルの両分野について包括的な調査が実施された。蓄電池製造装置に関する調査では、日本・中国・韓国を主要国として業界構造を分析し、グローバル市場における主要サプライヤーの動向やベンチマーク比較を実施した。さらに各国の支援政策を整理し、国内の生産基盤拡大に向けた支援策を提案している。バッテリーメタルに関する調査では、ハイニッケル化やLFP、全固体電池等の技術開発動向を踏まえた重要鉱物の分析を行った。また、リチウム、ニッケル、コバルト、黒鉛等のバッテリーメタルを確保するプレイヤーの比較分析や、現在計画中または開発中のプロジェクトの調査を実施した。調査対象は主にリチウムイオン電池の製造装置メーカーとし、前工程(攪拌、塗布、圧延・切断)から後工程(捲回・積層、組立、注液、検査)まで7つの製造工程を包含している。これらの調査結果は、経済安全保障の観点からの政策立案や蓄電池産業戦略の具体化に必要な基礎情報として活用される。
