令和5年度内外一体の経済成長戦略構築に係る国際経済調査事業(日本企業の南西アジア高度人材活用促進に係る能力可視化分析調査)調査実施報告書 概要版
報告書概要
この報告は、日本企業におけるインドデジタル人材の活用促進について書かれた令和5年度の調査報告書である。日本は2030年までにデジタル人材の需給ギャップが16~79万人規模に達する見込みであり、国際競争力の停滞が懸念される一方、インドは212万人のIT技術者を擁し、世界デジタル競争力ランキングでは日本の62位に対し17位に位置している。本調査では、日本で働くインド出身デジタル人材を出身校別にOld-IIT、New-IIT、Non-IITの3つのセグメントに分類し、企業における担当ロールと能力特性を分析した。調査対象となる業務内容は、基礎情報技術開発、自社製品・サービスの企画・設計・開発、デジタルマーケティング、構築・導入など6分野にわたり、SI、Web/自社サービス、製造・流通・産業機械の3業種において、プレーヤーまたはリーダーの役割で分析された。現在グローバル企業では英語での業務遂行が標準となっており、インドデジタル人材の活躍領域は主にミドルバック部門に集中している。今後の展望として、日本人材の英語対応力強化を起点に、ITサービスビジネスのフロント部門におけるインドデジタル人材の活躍余地拡大が期待される。また、日本語習得に意欲的なインド人材を採用ターゲットに加えることで、採用数増加と日本人とのコラボレーション拡大が可能となる。提案される施策は、教育者交換プログラムや留学生招へい、デジタル人材向け日本語教育の拡大といった教育面での取組み、Non-IIT大学とのタッチポイント構築や国内居住者との接点強化による採用マーケティング、さらにミドルバック部門の英語対応力強化やグローバル標準の人材マネジメント構築による受入態勢整備である。
