令和5年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(無電柱化の推進に向けた基盤的調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、無電柱化の推進に向けた基盤的調査について書かれた報告書である。本調査は令和5年度エネルギー需給構造高度化対策事業として、東電タウンプランニング株式会社により実施されたものである。調査の主要目的は、新設及び撤去された電柱の地図上への表示と用途分析、さらに工期短縮を図る新たな施工法に関する検討である。無電柱化推進計画に基づき、関係省庁が連携して新設電柱の増加要因を調査し、今後の施策立案に必要な基盤情報を整備することが目指されている。電柱の位置データについては、緊急輸送道路への設置状況を判定するため、国土交通省の緊急輸送道路データを活用し、道路中心線から左右20メートルの範囲で電柱の有無を確認している。緊急輸送道路は第1次から第3次までのネットワークに分類され、県庁所在地や重要港湾を連絡する道路から市町村役場や防災拠点を結ぶ道路まで含まれている。調査結果では、緊急輸送道路及び沿道区域において電柱は撤去本数よりも新設本数が多く、全体的に増加傾向にあることが明らかとなった。一方で直轄国道については減少傾向が見られる。新たな施工法については、上下水道などの他インフラとの同時施工による工期短縮の可能性を検討し、土木工事量の比較では同時施工により掘削土量が約1.3倍、埋戻し量が約1.4倍となることが示された。報告書では無電柱化に関するよくある質問もFAQ形式で整理されており、電磁波への影響や電気料金への地域差、開発許可地域での電柱設置制限などについて回答が提供されている。
