令和5年度産業経済研究委託事業(電力・ガス小売自由化における消費者の選択行動アンケート調査事業)報告書

掲載日: 2024年5月28日
委託元: 経済産業省
担当課室: 電力・ガス取引監視等委員会事務局取引監視課
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報告書概要

この報告は、令和5年度に実施された電力・ガス小売自由化における消費者の選択行動について書かれた報告書である。経済産業省委託事業として実施されたこの調査は、全国の20歳から69歳までの一般男女10,000人を対象としたスクリーニング調査と、そこから抽出された1,570人による本調査から構成されている。調査期間は2024年2月19日から21日の3日間で、インターネット調査により実施された。

調査結果によると、電力・ガス小売自由化の認知度は8割を超えて高い水準を維持しているが、内容の理解度は3割程度にとどまっており、理解度向上のための継続的な情報提供が必要とされている。電気の購入先変更者は前年度比2.8ポイント減少したが、ガスの購入先変更者は前年度比3.0ポイント上昇した。電気料金については「5,000円から7,000円未満」が最も多く15.3%となっている。

電気のスイッチングのきっかけとして最も多いのは「今の電気料金が高いこと」であり、引っ越しや住み替えなどの生活環境の変化も大きな要因となっている。セット割引の案内や比較サイトでの検索も重要な動機として挙げられている。決め手についても料金の高さや安い料金プランの存在が上位を占めており、消費者は料金面でのメリットを重視していることが明らかとなった。

一方、電気の購入先を変更しない理由としては「なんとなく変更することへの不安」や「メリットがよくわからない」「今まで通りでよい」「手続きが面倒そう」などが主要因として特定された。特に比較検討したことがない消費者においては、不安や面倒さがより強く感じられており、変更しても従来と変わらないという安心感の提供が重要である。ガスについても電気と同様の傾向が見られ、料金の高さや生活環境の変化がスイッチングの動機となる一方、不安や手続きの煩雑さが変更の阻害要因となっている。