令和5年度取引条件改善に向けた施策のあり方に関する研究分析等事業報告書

掲載日: 2024年6月7日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁事業環境部取引課
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報告書概要

この報告は、令和5年度における中小企業の取引条件改善に関する実態調査について書かれた報告書である。

中小企業庁は平成29年度から事業者間取引の実態把握を目的とした調査を実施しており、令和5年度は発注側1万社、受注側8万社の計9万社を対象に郵送およびWEB調査を行い、26,458社から回答を得た。回答率は29.4%であり、発注側が40.06%、受注側が28.07%となっている。調査対象業種は製造業を中心に建設業、情報サービス業、運輸業、卸売業など幅広い業種にわたっている。

調査内容は「未来志向型の取引慣行に向けて」で定められた重点5課題の改善状況を中心に、価格決定方法の適正化、支払条件の改善、原価低減要請、協賛金等の問題、知的財産への対応、働き方改革への対応、型取引の適正化などを包括的に調査している。

回答企業の概要を見ると、受注側では資本金1,000万円以下の企業が77%を占め、従業員数20人以下の企業が75%となっており、中小企業が大部分を占めている。一方、発注側では資本金1,000万円超の企業が多く、従業員数も相対的に多い傾向がある。取引上の地位では、受注側の32%が1次下請、21%が2次下請の位置にある。

価格交渉に関しては、2021年以前と比較して直近1年間の価格改定協議の頻度について調査しており、コスト変動の価格反映状況として労務費、原材料価格、エネルギー価格の反映度合いを詳細に分析している。価格転嫁が実現できた理由として、販売先を取り巻く環境変化や企業の交渉行動要因を調査し、反映できなかった場合の要因も明らかにしている。