経済産業省委託事業令和5年度化学物質規制対策(改正化審法の施行状況等を踏まえた化学物質管理制度のあり方等に関する調査事業)報告書
報告書概要
この報告は、化学物質管理制度のあり方に関する調査事業について書かれた報告書である。経済産業省が委託した本事業は、平成29年に改正された化審法の5年後見直しに向けて、施行状況や国内外の動向を調査・整理することを目的としている。化審法の平成29年改正では、新規化学物質の審査特例制度における全国総量上限を製造・輸入数量から環境排出量へ変更し、毒性が強い物質を「特定一般化学物質」として指定する制度が導入された。改正により数量調整件数は約8割減少し、事業者の予見可能性が大幅に向上した。少量新規化学物質制度では申出件数が3割減少し、数量調整も大幅に削減された。また、電子申出の割合が令和元年度の77.0%から令和4年度には93.3%まで増加するなど、申出の利便性も向上している。国外の化学物質管理制度として、欧州のREACH規則、米国のTSCA、カナダの環境保護法、オーストラリアの工業化学品法について調査が行われた。さらに、ESG投資やポストSAICM、欧州グリーンディールなどの新たな課題についても検討が進められている。検討委員会は全3回開催され、化学物質管理のあり方に関する今後の基本的方向性や対応策について議論が重ねられた。本報告書は、これらの調査結果を踏まえて化審法の施行状況と今後の課題を整理したものとなっている。