令和5年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(データ利活用・プロジェクトマネジメント推進に関する調査事業)報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省におけるデータ利活用とプロジェクトマネジメントスキル向上に関する調査事業について書かれた報告書である。経済産業省では、デジタル・ガバメント中長期計画に基づき、データ駆動型行政組織への転換を目指し、職員の業務効率化と政策立案過程の高度化が求められている状況にある。しかし、職員が有するべきリテラシーの設定と向上の具体策が定まっておらず、実務に直結する学びの機会やコンテンツが省内において提供されていない課題が存在している。
本事業では、PowerBIを用いたデータ利活用や的確なプロジェクトマネジメントを行える職員が限定的であること、学習機会が不足していること、効率的なスキル習得には経済産業省に特化したハンズオン研修が有効であることという三つの仮説を設定し、検証を行った。検証のため、PowerBI研修とプロジェクトマネジメント研修を実施し、それぞれ座学学習動画とハンズオン研修を組み合わせた形式で実施された。PowerBI研修では73名の応募者のうち30名が、プロジェクトマネジメント研修では15名の応募者のうち12名が参加し、各4回のセッションが開催された。
研修結果として、データ利活用に関しては、アンケート回答者48名のうち約80%がPowerBI利用未経験者であり、業務で活用している職員は7名のみであった。研修により参加者の一定のスキル向上と実務への適用に感触を得ることができたが、実務で実データを使用する際に研修で学んだ通りにツールを活用できないケースが課題として挙げられた。プロジェクトマネジメント研修については、参加者の理解は促進できたものの、実務で生かせるレベルに到達させることはできなかった結果となった。
今後の課題として、データ利活用分野では、職員が効率よく実務に生かせるスキルを身に着けられる研修の企画および定期的な開催、研修で学んだことを実務に生かす際の専門的なサポート体制の構築が必要である。プロジェクトマネジメント分野では、職員のスキルレベルの可視化と職員ごとに要求されるスキルレベルの定義づけ、各職員のレベルに即した研修の設計が重要な課題となっている。対応策として、動画研修の提供、経済産業省内データを用いた実践的研修、フォローアップ体制の設置、アセスメントテストによるスキル可視化、研修バリエーションの増加などが提案されている。