令和5年度国内における温室効果ガス排出削減・吸収量認証制度の実施委託費(J-クレジット制度推進のための地域支援事業四国経済産業局)事業報告書
報告書概要
この報告は、令和5年度に四国経済産業局で実施されたJ-クレジット制度推進のための地域支援事業について書かれた報告書である。J-クレジットの創出促進とクレジット供給量増加、地域活性化のためのJ-クレジット創出・活用支援が目的である。事業内容は、地域企業と連携したプログラム型プロジェクトの登録支援、森林分野のプロジェクト登録・クレジット認証支援、地域活性化に向けた活用の在り方の調査及び掘り起こし、制度説明会の周知・地域ネットワーク会議の開催及び講師対応、J-クレジット制度相談対応の5つの事業を実施した。プログラム型プロジェクトでは、エネルギー価格高騰を背景に自家消費型太陽光発電設備導入が普及していることから、金融機関を対象としたスキーム提案を行い、四国管内の主要金融機関8件、自治体3件、事業者2件に提案を実施した。自治体1件でプログラム型スキーム検討の意向があり、金融機関でもプロジェクト検討の意向が確認された。森林分野では、吸収系クレジットとして森林クレジットへの関心が高まっており、1件でプロジェクト登録準備が進んだ。活用の在り方調査では、自治体6件、ガス会社1件、金融機関5件、四国外民間企業2件に提案を行い、金融機関1件で新規カーボン・オフセットが実現し、地域コーディネーター制度を想定した検討が進んだ金融機関1件では自治体2件とのマッチングが実現した。制度説明会周知や地域ネットワーク会議開催、各種セミナーでの講師対応を通じて制度普及を図った。相談窓口では計51件の相談対応を実施し、制度理解、方法論適合性、実現可能性、スケジュール等の相談に対応した。まとめとして、GXリーグ活動開始や東京証券取引所でのカーボン・クレジット市場開設によりJ-クレジットへの関心が多方面で高まったが、実際の取組には制度理解や申請手順理解が必要であり、売り先確約や取引価格設定が大きな調整事項となることが明らかになった。