令和5年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(フィリピン国・ダバオ市における本邦技術を活用した防災プラットフォームの整備に向けた事業実施可能性調査事業)事業報告書

掲載日: 2024年6月29日
委託元: 経済産業省
担当課室: 貿易経済協力局通商金融課資金協力室
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令和5年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(フィリピン国・ダバオ市における本邦技術を活用した防災プラットフォームの整備に向けた事業実施可能性調査事業)事業報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、フィリピン国ダバオ市における日本の技術を活用した防災プラットフォーム整備に向けた事業実施可能性について書かれた報告書である。

令和5年度に経済産業省の委託を受けた日本工営エナジーソリューションズ株式会社が実施した調査であり、洪水氾濫予測サービスを中心とした防災システムの構築可能性を検討している。調査では、防災プラットフォームに集約する気象・水文・地形情報の精査、洪水氾濫予測サービスの提供エリア選定、基本設計の実施、事業計画の策定、先進技術の導入可能性検討という5つの主要目的を設定している。

ダバオ市の現状調査では、PAGASA(フィリピン大気地球物理天文庁)の観測所やテレメータシステム、衛星情報、レーダー情報、洪水ハザードマップなどの既存データを詳細に分析している。また、ダバオ市CDRRMO(災害リスク軽減管理事務所)の組織構成や現行設備、水災害時の情報収集・避難勧告体制についても調査を実施している。

防災プラットフォームの基本設計では、既存の観測データを活用した洪水氾濫予測システムの構築を提案している。追加センサーとしてCCTVカメラや浸水センサーの設置を検討し、設置候補地の現地調査も実施している。通信環境についてはGlobe TelecomやSMART(PLDT)の通信カバレッジを調査し、適切な通信手段を検討している。

事業モデルでは、JBIC、NEXI、JOIN、JICAなどの各種資金スキームを比較検討し、本事業に適用可能な資金調達方法を整理している。収支計画の検討も行い、ダバオ市にとって受け入れやすい事業モデルの構築を目指している。

今後の展開については、パンパンガ州、ケソン州、セブ市など、フィリピン国内の他地域への防災情報プラットフォーム展開可能性も検討している。関係機関との協議結果も詳細に記録されており、現地のニーズと課題を踏まえた実用的な防災システムの構築に向けた具体的なアクションプランが示されている。