令和5年度我が国におけるデジタル社会の形成に向けた基盤整備のための調査事業(家電リサイクル制度等の高度化に向けた調査)調査報告書

掲載日: 2024年6月29日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局情報産業課
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報告書概要

この報告は、家電リサイクル制度のデジタル化と小売業者の多様化に対応するための調査について書かれた報告書である。環境管理センターが令和5年度に実施した調査であり、家電リサイクル法の高度化に向けた基盤整備を目的としている。

家電リサイクル制度は平成13年の本格施行以降、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の家電4品目を対象に実施されてきた。令和4年には3度目の制度見直しが行われ、継続的な課題対応と進捗状況のフォローアップが求められている状況である。

報告書の主要な検討事項は2つの柱から構成されている。第一に、家電リサイクル制度のデジタル化を進めるための施策案及びロードマップ案の検討である。現状では5枚綴りの紙の家電リサイクル券を使用しており、これが廃家電の引取りや引渡し現場で負担となっているため、電子化による利便性向上が求められている。デジタル化の最上位目的はデータドリブンな体制構築であり、制度関係者の利便性向上とトレーサビリティの精度向上を目指している。

第二に、小売業者の多様化状況の整理と規制遵守施策の検討である。近年、実店舗を持たないEC販売業者が増加するなど小売業者の形態が多様化している。この状況に対応するため、モール事業者との協力体制構築や、スクレイピング技術を活用した規制遵守状況の確認手法について検討している。具体的には、モール事業者への家電リサイクル制度に関する協力依頼や、小売業者の商品情報記載内容の管理方法について調査項目を整理している。

今後の進め方として、スクレイピングを中心とした方法により規制を遵守していない小売業者の抽出システムを構築し、自動化可能性の高い部分から優先順位をつけて順次検証することが提案されている。これらの取組により、家電リサイクル制度の実効性向上と持続可能な資源循環システムの構築を図ることとしている。