令和5年度発展的政策プロセスの実践に関する検討及び調査事業報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省が実施した発展的政策プロセスの実践に関する人材育成事業について書かれた報告書である。経済産業省では2021年度から「経済産業政策の新機軸」の論点として「EBPM・データ駆動型行政」を掲げており、職員のリテラシー向上を重要な課題として位置づけている。本事業は、省内約8,000名の全職員を対象とした初心者向けEラーニングコンテンツの企画・制作と、24名の職員を対象とした発展的政策プロセス実践研修の2つの柱で構成されている。Eラーニングコンテンツは、専門知識や統計的素養が低い職員でも身近に感じて学べる教材として、EBPMの基礎から政策立案、政策効果検証、データ分析の基礎まで9章構成で動画コンテンツと実力テストを提供している。発展的政策プロセス実践研修では、統計的因果推論に関する輪読会と分析プロジェクトを実施し、外部有識者を交えながらロジックモデル・リサーチデザインの作成、データ収集・分析等に取り組んでいる。分析プロジェクトでは企業分析、知財、スポーツ・地域振興、実政策の効果検証の5つのチームに分かれ、それぞれ専門の外部有識者の指導のもとで実践的な分析を行った。研修生支援としてOrbisデータベースの提供や分析サポートを実施し、中間・修了後アンケートでは参加者から高い満足度を得ている。今後の課題として実施環境面、出席・進捗管理面、分析面、基礎知識面での改善が必要であることが明らかになった。
