令和5年度給付金等不正対応等事業に係わる業務実施・調査報告
報告書概要
この報告は、令和5年度に実施された新型コロナウイルス関連給付金の不正対応業務について書かれた報告書である。中小企業庁が給付した持続化給付金、家賃支援給付金、一時支援金、月次支援金、事業復活支援金について、自主返還の受付、不正受給疑義者への調査協力、不正通報への対応を目的とした事業が実施された。
自主返還窓口では9席体制のコールセンターを設置し、年間6,532件の入電に対応した。自主返還申出は988件、はがき発送は5,851件となり、持続化給付金の申出件数は緩やかに減少した一方、事業復活支援金は認識確認書発送時期に合わせて増加する傾向が見られた。国庫納付については、持続化給付金7.9億円、家賃支援給付金1.1億円、事業復活支援金3.9億円など、合計約14.8億円が納付された。
不正受給疑義者への調査協力では、中小企業庁からの照会に対し国税照会や法的措置対象者の情報提供を行った。警察等からの照会は約13,000件で、全体の7割以上が警察からのものであった。照会先には法律事務所、検察、労働局、税務署、自治体なども含まれ、刑事訴訟法や国税徴収法などの法令に基づく照会への対応が行われた。
不正通報については、専用フォームとコールセンターで情報提供を受け付け、年間1,359件の通報があった。8割が持続化給付金に関するもので、半数以上が個人事業主に関する通報であった。通報内容は本人からの不正受給告白を聞いたケースや営業実態がないにも関わらず受給していたケースなどが多く見られた。広報活動では自主返還促進ポスター3種を作成し、バナー広告を2か月間配信して約29万回の表示と約20万回のクリックを得た。今後の課題として、自主返還申出の減少傾向への対応と効果的な広報手段の検討が挙げられている。
