令和5年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等事業高圧ガス保安法に関する国家試験等のCBT化に向けた検討報告書

掲載日: 2024年7月9日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ高圧ガス保安室
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令和5年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等事業高圧ガス保安法に関する国家試験等のCBT化に向けた検討報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、高圧ガス保安法に関する国家試験等のCBT(Computer Based Testing)化に向けた検討について書かれた報告書である。

現在、高圧ガス製造保安責任者等の国家試験は年1回実施されているが、新型コロナウイルス感染症等により受験機会が失われる課題があり、また紙ベースの試験方式(PBT方式)から情報通信技術を活用した新しい試験方法への移行が求められている。令和4年度の調査では、CBT方式の導入により問題流出リスクの回避と受験機会の柔軟な拡大が可能であることが確認され、項目反応理論の導入によって試験間の公正性を維持するためにはパイロットテストの実施が必要とされた。

本事業では、300名程度を対象としたCBT方式によるパイロットテストを2種類の試験で実施し、試験運営に関する課題を整理した。基本仕様として、試験実施方式はCBT方式を採用し、出題方式は問題データベースからのランダム出題、出題形式は従来の複数記述から構成される選択式問題を記述単位での正誤問題に変更することとした。試験時間は現行と同様とし、参加会場は既存のCBT事業者が有する全国のテストセンターを活用することとした。

パイロットテストでは、移動監視者講習と丙種化学(特別)試験を対象とし、299名が参加した。受験者は首都圏在住者が多く、年齢層は30代から50代が中心であった。試験結果では両試験とも合格率が高く、アンケート調査では受験環境や操作性について概ね良好な評価を得た。一方で、システムの操作方法や画面表示に関する改善要望も寄せられた。今後、本格導入に向けては、システムの改良、問題作成体制の構築、受験者への事前案内の充実等の課題への対応が必要である。