令和5年度重要技術管理体制強化事業(投資規制対策事業(諸外国における投資環境動向調査))報告書
報告書概要
この報告は、重要技術管理体制強化事業の一環として、諸外国における投資環境動向について調査した報告書である。近年の国境を越えた企業の合併買収の増加や政府系ファンドの台頭、民生技術の軍事転用懸念等により世界の投資環境が大きく変化している中、欧米諸国を中心に安全保障を理由とした投資管理規制の強化が進んでいる。ロシアのウクライナ侵攻を受けた西側諸国による対露制裁の発動、中国への重要技術流出懸念に対処するための欧米による対外直接投資規制の検討等、投資規制を取り巻く情勢はさらに複雑化している。
本報告書では、米国、カナダ、オーストラリア、英国、EU、ドイツ、フランス、イタリア、中国、台湾、韓国における資本移動規制制度について詳細に調査している。各国の関係法令、制度成立の経緯・背景、規制執行機関、審査対象取引、審査基準、審査プロセス、エンフォースメント・罰則、審査実績等を体系的に整理している。また、米国については対外投資規制についても調査対象としている。
調査は、各国の外資規制制度の運用実態及び改革動向を把握し、今後の日本の投資規制制度のあり方及び運用指針の検討、適正な審査への活用を目的として実施された。アンダーソン・毛利・友常法律事務所の統括の下、各国の専門法律事務所の支援を受けて調査が行われた。各国比較表も作成されており、制度の類似点と相違点が明確に示されている。
