令和5年度洋上風力発電導入拡大調査支援事業(沖合での浮体式洋上風力を含めた洋上風力発電の導入拡大に向けた制度検討調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、洋上風力発電の導入拡大に向けた制度検討調査について書かれた報告書である。日本の排他的経済水域(EEZ)における大規模な浮体式洋上風力プロジェクトの創出を目的として、2023年5月から2024年2月にかけて実施された法的調査の結果をまとめたものである。調査は海外法制度調査と国内法制度調査の二つに分けて行われ、前者では洋上風力発電の先進国である英国、米国、ドイツ、フランス、韓国の制度を詳細に調査し、後者では日本のEEZにおいて浮体式洋上風力プロジェクトを実施する際に適用される国内法の調査が実施された。海外調査では、各国のEEZにおける海域利用制限や権利付与の法的根拠、海域リース権の用途制限や取消規定、地方自治体の関与、利害関係者との調整方法、課税ルール、占用料徴収、警察権の行使範囲、送電時の輸入該当性、安全保障上の論点などが詳細に検討された。国内法調査では、EEZにおける洋上風力発電事業に適用される法令の一覧化、電気事業法や再エネ特措法の適用可能性、各種権利・許可の根拠法令、監督権限等に関する規定の整理が行われた。調査結果は、洋上風力産業ビジョンが掲げる2040年までに3000万kWから4500万kWの案件形成目標の達成に向けて、EEZでの洋上風力発電実施のための制度整備に必要な基礎資料として活用される予定である。
