令和5年度 内外一体の経済成長戦略構築に係る国際経済調査事業(2025 年大阪・関西万博におけるネガティブエミッション技術等の在り方に関する調査事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、2025年大阪・関西万博におけるネガティブエミッション技術等の展示・広報の在り方について調査検討した報告書である。我が国は2020年10月に2050年カーボンニュートラルを宣言し、大阪・関西万博を革新的環境イノベーション技術をアピールする機会と位置付けている。本調査は令和3年度より継続して実施されており、万博においてカーボンニュートラル技術を効果的に展示・発信する方法について具体的検討を行った。
展示内容に関して、RITE実証プラントは未来社会ショーケース事業のグリーン万博として位置付けられ、九州大学・名古屋大学のDAC実証試験も含めた配置計画が策定された。ガイダンス施設では地球温暖化からカーボンニュートラルの意義、DACCS技術説明、実証技術紹介までの映像プレゼンテーションを計画し、1日120人・会期中約20,000人の見学者受け入れを想定している。バーチャル万博への参加により、管理区域への制限がある中でも幅広い訪問者への訴求効果を期待している。
展示・広報の在り方については、万博会場内でカーボンニュートラル技術を展示する26社を整理し、関係団体の取組状況を調査した。けいはんな学研都市、関西経済連合会、大阪府・大阪市、京都府、兵庫県がそれぞれ万博に向けた独自の取組を展開しており、水素エネルギーやフィールドパビリオンなど多様な形での情報発信を計画している。参加メンバーへのアンケート・ヒアリング調査により、会場内外での情報発信ニーズが高く、ホームページ・印刷物・SNS等を活用した連携の可能性が確認された。
集客に関しては、EVバスによる会場中央部からのピストン輸送体制を構築し、大阪メトロへの委託により小型EVバス(定員20名)での送迎を計画している。日本館付近の東公園を乗降場所とし、事前予約システムはRITE独自のシステム構築を検討している。博覧会協会の予約システムではパビリオン予約が3箇所に限定されるため、独自システムにより予約機会の確保を図る方針である。革新的技術の実証展示調査では、シースルースクリーン技術がゴーグル不要で没入感のある体験を提供できることから、RITE実証プラントでの適用に高い適正があると評価された。