令和5年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(地域レベルのフィジカルインターネット実現に向けた事業者間の連携促進)最終報告書
報告書概要
この報告は、北海道における地域フィジカルインターネット実現に向けた流通・物流効率化について書かれた報告書である。
物流業界は人口減少による労働力不足、国際情勢悪化による物流コスト高騰、2024年問題などにより需給バランスが崩れつつある状況にある。特に北海道は人口密度が最も低く、拠点間輸送距離が長く、トラック輸送への依存度が高いという特徴により物流効率向上が困難な地域である。また農林水産業や食料品製造業を主要産業とし、我が国の食糧供給基地の位置づけにあることから、持続可能な物流機能構築の重要性が極めて高い地域となっている。
本事業では北海道を対象地域として、製配販及び物流事業者が集う「北海道地域フィジカルインターネット懇談会」を設置・運営し、関係企業間の物流面での協力・連携を促進した。さらに北海道地域における流通・物流構造の調査と物流実態の可視化を行い、優先度の高い課題や具体的な協調パターンの仮説提示を実施した。
懇談会は7月と12月の2回開催され、第一回では計321名が参加し、地域フィジカルインターネット実現に向けた方向性や北海道の物流実態調査結果、共同配送ネットワーク構築事例などが発表された。調査分析では北海道7地域別のトラックドライバー不足推計や輸配送共同化の重要性、実現に向けたステップ仮説が整理された。これらの取組により、地域レベルでの事業者間連携促進と物流効率化に向けた基盤が構築された。