令和5年度新エネルギー等の保安規制高度化事業(水素・アンモニア発電等に関する保安規制調査事業)報告書

掲載日: 2024年8月17日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ電力安全課
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報告書概要

この報告は、水素・アンモニア発電等に関する保安規制調査事業について書かれた報告書である。カーボンニュートラル実現に向けて、2030年までにガス火力への30%水素混焼や水素専焼、石炭火力への20%アンモニア混焼の導入が目標とされている中で、水素・アンモニアの大規模利用が実証段階から社会実装に進展している状況を背景としている。本事業では三つの主要な調査項目を実施している。第一に、水素またはアンモニアを燃料として使用する火力発電設備・燃料電池発電設備における各種自主検査方法の解釈見直しに関する検討調査である。具体的には、使用前自主検査、使用前自己確認、溶接自主検査及び定期自主検査の方法について、2022年12月の技術基準改正を踏まえた見直しを行った。特に、アンモニア燃料に関する安全弁の作動時危害防止対策、ガス漏えい対策における漏えい検知・警報設備の検査方法等について詳細な検討を実施している。第二に、純水素を利用した燃料電池発電設備に関する検討調査では、各社の技術動向調査、一般用電気工作物となる燃料電池発電設備の規定見直し、関連規定の調査・検討を行った。第三に、ボイラー・タービン主任技術者の免状交付要件に係る検討調査では、現行制度の実態調査と制度変遷の調査を実施し、高齢化が進む技術者確保のための交付要件見直し案を提案した。具体的には、学歴要件の見直しや講習制度導入による実務経験年数の短縮を提案し、電力事業者等へのアンケート調査を通じて意見収集を行った。これらの調査結果は、水素・アンモニア発電の安全確保と社会実装促進のための保安規制整備に重要な知見を提供している。