令和5年度原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業(周辺地域と連携した広域観光ルートの開発による観光流動の活性化に係る調査事業)-調査報告書概要版-
報告書概要
この報告は、玄海原子力発電所の立地自治体である玄海町を中心とした上場地域における広域観光振興について書かれた報告書である。玄海町は日本の棚田百選に選定された「浜野浦の棚田」を有する観光資源があるものの、消費の受け皿不足やゴールデンウィーク期間への観光客集中という課題を抱えている。このため町単独では観光資産や人的リソースが不十分であり、周辺自治体との広域連携による観光振興が求められていた。令和2年度から4年間にわたり九州経済産業局が支援し、広域観光ルートの開発と受入れ体制構築を段階的に進めてきた成果がまとめられている。令和5年度においては、玄海町みんなの地域商社を中核とした民間主導の体制構築に重点を置き、共創会議の開催や共創プロジェクトの試行を通じて地元事業者の参画促進を図った。先進地視察では福岡県津屋崎地域の取組みから人を基軸とした地域づくりの手法を学び、インスタグラム動画制作による情報発信スキル向上の実践的な取組みを実施した。これらの活動により累計4回の共創会議に延べ38名が参加し、地域商社と地元事業者による民間チームの構築が進展している。また旅行会社との連携により民間自主事業としてバスツアーが催行され、新たに1000名以上の送客実現という具体的成果を上げている。今後令和6年度から8年度の3年間で広域観光の定着を目指し、観光コンテンツの磨き上げ、個人旅行における認知促進、民間主導モデルの確立を段階的に推進する計画が示されている。
