令和5年度固定価格買取制度等の効率的・安定的な運用のための業務(九州経済産業局の固定価格買取制度等における事業計画実施等の適正化事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、九州経済産業局における固定価格買取制度の効率的・安定的な運用及び再生可能エネルギー発電設備の不適切案件対応について書かれた報告書である。
再生可能エネルギー特別措置法に基づく固定価格買取制度及びFIP制度において、地域住民とのトラブルや関係法令への違反が散見される状況を受け、九州経済産業局エネルギー対策課の業務負担軽減と不適切案件の問題解決プロセス構築を目的として実施された調査業務の結果である。主な実施内容として、認定事業者の発電設備に係る不適切案件情報の対応窓口「九州再エネコールセンター」を設置し、23件の通報案件への対応を行った。また関係自治体との連携強化を図るための会議開催や事例ヒアリングを実施し、再エネ発電設備導入に関する課題把握と解決策の検討を行った。
不適切案件の対応においては、法令違反の程度や事業者の対応姿勢に応じた類型整理を行い、マニュアル対応から個別調査対応まで4つの対応方針を提案した。現地調査8か所を含む詳細な調査により、土砂流出、雑草繁茂、柵塀・標識未設置、条例不遵守などの具体的な問題事例を把握し、それぞれの対応策を検討した。さらに今後の不適切案件対応スキーム構築に向けて、対応マニュアルの整備、データベースシステムの構築、自治体等との適切な役割分担を含む対応体制の拡充提案を行った。これらの取組により、再生可能エネルギー事業の地域共生と長期安定運営の実現に資する体制整備が図られた。
