令和5年度重要技術管理体制強化事業(中小企業アウトリーチ事業(営業秘密漏えい対策))報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省委託による令和5年度重要技術管理体制強化事業(中小企業アウトリーチ事業(営業秘密漏えい対策))について書かれた報告書である。グローバル化により海外進出する日系企業が増加し、技術情報等の漏洩リスクが増大している現状において、9割以上の企業が営業秘密の漏えいに脅威を感じており、特に海外拠点における管理体制整備が必要となっている。中小企業では海外拠点のリソースが限定され、営業秘密管理の重要性認識や管理体制整備が不十分な企業が少なくない。本事業では在外日系中堅・中小企業を主なターゲットとし、現地事情に精通した専門家によるハンズオン支援と情報提供・普及啓発活動を通じて、営業秘密管理体制整備の支援を実施した。個別支援では中国、タイ、インドネシア、ベトナム、ドイツの13社に対し、現地専門家による営業秘密管理状況のヒアリング、アドバイス、契約書改正案作成、従業員研修等を行った。普及啓発では日本国内及び中国で企業関係者向けセミナーを開催し、営業秘密管理の重要性について啓発を行った。さらにメキシコ、中国、インドについて営業秘密管理マニュアルを作成し、関係法令における定義、法的措置、流出事例、保護管理上の注意点等を整理した。アンケート結果では支援企業16社中11社で営業秘密漏えい防止策を導入し、7社で導入検討を開始するなど具体的な成果が確認された。