令和5年度製造基盤技術実態等調査(ロボット導入加速に向けたロボットSIer業界の構造的課題や事業基盤強化に関する調査)報告書

掲載日: 2024年9月10日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局産業機械課ロボット政策室
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令和5年度製造基盤技術実態等調査(ロボット導入加速に向けたロボットSIer業界の構造的課題や事業基盤強化に関する調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、ロボット導入加速に向けたロボットSIer業界の構造的課題や事業基盤強化に関する調査について書かれた報告書である。深刻化する人手不足を背景として、製造業をはじめとする多くの産業分野においてロボット導入による生産ライン自動化のニーズが高まっており、特に中小企業を含むロボット未導入分野への導入促進が期待されている。

報告書では、ロボットシステムを現場にインテグレートするロボットSIerの役割が極めて重要であるとし、中小企業が多いロボットSIer業界の構造的課題として主要な2つの問題を特定している。第一の課題は、ロボット導入経験のない企業からの相談が粒度・解像度が粗く、具体的な提案により事業価値を生むまで非常に多くの工数を要してしまうことである。これは、ユーザー企業のリテラシー不足と、カイゼン専門家のロボット専門知識やロボットSIerとのつながりが十分でないことに起因している。

第二の課題は、各現場に導入されるロボットシステムが一般的にユーザーの現場毎にカスタマイズされ一品モノ化しやすく、高コスト構造を生んでいることである。さらに、ロボットシステムが導入先企業の事業ノウハウに直結するため、守秘義務等によってロボットSIerが他の現場への再販・横展開ができず、規模の経済を働かせ難いという問題も存在する。これらの課題解決に向けて、地域のロボット導入支援力向上とインテグレートしたロボットシステムの横展開という2つのアプローチから実態把握と対応策の検討が実施された。